キャンパス・アテンダント(CA)の嬉しい訪問

2019年02月11日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美

秋学期の定期試験、卒論口述試験等、学生たちの学事日程もほぼ終わり、キャンパスに学生の姿がまばらとなった先週のある日の午後、2人の4年生(鈴木莉緒さんと栗原桃香さん。二人とも英語コミュニケーション学科の学生)が学長室のドアをノックしてくれました。「明日から就職前の最後の春休み。次回、キャンパスに来るのは3月の卒業礼拝と卒業式ですので、その前に学長と是非、お話がしたくて......」。

この2人は2年生の時からキャンパス・アテンダント(CA)を務めてくれた学生でしたが、その経験が大学生活をとても豊かにしてくれたことを私に伝えたいと思ってのこと。嬉しい訪問でした。

CAとは、オープンキャンパスなどの時に、来校した高校生や保護者の皆様に恵泉での学びや学生生活について説明をしたり、キャンパスを案内したりする役割を担う学生のことです。学生が自身の言葉で語る大学案内は来校者に大変好評で、高校生の時に出会ったCAに憧れて恵泉への入学を決めた、という入学生も少なくありません。
実は栗原さんもその一人。自分の言葉で恵泉ライフを生き生きと語ってくれた先輩CAに憧れて入学したとのことです。一方、英語を勉強したくて恵泉に入学した鈴木さんですが、大学生になったら何か打ち込めるものが欲しい、大学でなければ経験できないものを懸命に探していたときのロールモデルが、先輩CAだったと言います。

2人に共通しているのは、CAになってから勉強に一層身が入ったということでした。恵泉のキャンパスを訪れてくれる高校生たちに、恵泉での学びの喜びや意義を伝えたいという思いは、2人が作成した英語コミュニケーション学科での学びの紹介パネルにもよく表れています。

"恵泉入学後、1年間で、身に付いた6つの力の集大成" "本学科の学生は全員参加で先生方のサポートのもと、全力で取り組みます"という言葉と共に、「大学で」「家で」「通学途上の電車の中で」と場面別の学びの取り組み実践例を紹介した後に、"TOEICのスコアが2年間で200点アップ" "アルバイトで英語で接客ができるようになった" "英語で洋画を見られるようになった"......と成果を綴っています。

さて、間もなく社会人となる2人ですが、仕事に対する思いは異なるようです。
"4月から働く企業で、できるだけ最後まで勤め続けたい。なぜなら自分を必要として選んでくれた会社だから"と語る鈴木さん。"そのためには、仕事も家庭も両立できるよう、イーブンで協力しあえるパートナーを選びます"。一方、栗原さんは、"仕事も懸命にします。でも、勤め続けるかというと違うかなというのが今の気持ちです。私は子どもを育てたい。そのために仕事を中断することもあると思うけれど、それは自分を犠牲にするということではなく、自分の夢を通したいから"。

恵泉に入学し、CAになった2人をご家族はどのように見ていらっしゃるのかと思って聞いたところ、また異なる答えが返ってきました。
恵泉に入学してからニュージーランドなど海外へと積極的に出かけ、将来も仕事の継続に意欲を見せる鈴木さんのアクティブな姿は、高校時代には想像できなかったと、その変身ぶりにご両親は驚き、喜んでいらっしゃるとのことです。
一方、カリフォルニアへ半年間の留学を経験した栗原さん。ご両親は、"高校時代とずっと変わらず、あなたらしさを保っていられるのは、恵泉を選んだからだね"と、こちらも今の彼女の姿を喜んでくださっているとのことでした。

高校時代と今、そして、将来の生き方についての抱負はこのように異なる2人ですが、CAの経験から得たものはなにかと尋ねたとき、異口同音に次のような言葉が返ってきました。
"相手が何を求めているか、懸命に考え、常に人と真剣に向き合う大切さ、自分の思いや考えを自分の言葉で語る大切さを知ったことです。そして、何よりもCAには仲間がいたことです。支えられている幸せに気付けた。恵泉で学べたことへの感謝を先生に伝えたかったのです"と。

4年生が多摩キャンパスを巣立っていく日はもうすぐです。