秋を迎えて、恵泉らしい催しが続いています

2018年10月15日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美

異常な猛暑に加えて、豪雨や台風の被害に苦しめられたこの夏でしたが、ようやく秋めいてさわやかな日が増えてきました。

秋日和の天候に恵まれた先日の土曜日は、オープンガーデンと恵泉会(在学生の保護者の会)主催の講座が開かれました。
オープンガーデンでは、地域の方々がキャンパスの草木や花々をゆっくり散策しながら楽しんでくださっていました。また恵泉会の講座では保護者の皆様に本多洋子先生(花と生活・生活園芸)の指導で素敵なプリザーブドフラワーの壁飾り作りを楽しんでいただきました。中学高校の保護者の方もいらして、「初めて多摩キャンパスを訪れましたが、なんて素敵な環境なのでしょう」と感嘆の声をあげておられました。

地域の方や保護者の方々が、日頃学生が過ごしている豊かな自然の環境や学びの一端を体験していただけたことは、とても嬉しく有り難いことでした。

恵泉会の役員のお母様方
本多洋子先生と作品のプリザーブドフラワーの壁飾り

少し前になりますが、9月末には、東京国際フォーラムで開催されたオーガニックライフスタイルEXPOに、本学の澤登早苗先生(園芸学)と学生たちが参加しました。恵泉育ちの作物や竹チップ段ボールコンポストなどを陳列した恵泉と企業とのコラボによる企画ブースにはたくさんの方がおみえになって、学生たちが熱心に説明をしていました。
澤登先生が登壇した「Beyond the Garden~家庭菜園から見る本当のつながり、本当のオーガニックライフ」にも、たくさんの方が集まって、関心の高さがうかがえました。"Beyond the Garden"とは、自分の農園や菜園だけで作物を作ることを越えて、作物を育てることで地域の人々・社会とつながることを大切にしているという先生の説明に参加された方たちが大きくうなずいていました。

キッチンガーデン テーマブースで来場者の方に説明する学生たち
トークショウ中の澤登早苗先生

また10月の第2週はK-Week(河井道メモリアルウィーク)で、チャペルアワーに外部から恵泉ゆかりの方々をお迎えして、感話をいただいています。

10月8日は、大学Ⅰ期生の山川百合子さんでした。衆議院議員として活躍していることは以前にもこのブログでご紹介しましたが、そのルーツは本学で1年の時にタイ国際ワークキャンプに参加したことだったとのことでした。電気もガスもない山岳民族の方々と共に暮らす日々の中で、同じ地球上に、同じ時間を同じ世代として生きていながら、かほどに異なる文化や価値観のもとに生きている人たちがいることに大きな衝撃を受けたとのことでした。ゆったりとした時間の流れの中で暮らす現地の方々が、しかし当時の日本の成田闘争を心にかけて、熱心に議論をしてくれたことにも驚きと深い感銘を覚えたとか。幼少期に数年間をお父様の仕事の関係でドイツに暮らしていた山川さんにとって、異文化での暮らしはけっして初めてではなかったものの、タイ国際ワークキャンプでの経験はそれとは比べられないほどに驚きと感動に充ちて、世界に大きく目を開かれたとのことでした。本学を卒業して後にイギリスのハル大学で修士号取得し、人道支援のNGO活動へと、文字通り国際的な活動を通して、女性や子ども、高齢者、障がい者、社会的マイノリティが直面している切実な課題の解決を平和の実現として自身に課して、政治の世界に入っていった経緯を語りながら、そこに常に恵泉での学びと信仰が生きていると語っておられました。最後に「平和とはけっして戦争がない状態だけを意味するのではありません。差別や格差、抑圧など、戦争の背後にある構造的暴力の撲滅を目指すことなのです」という言葉で締めくくられた感話に、在学生たちがしっかり耳を傾けていました。

チャペルで感話をしている山川百合子さん
感話の後に

多摩キャンパスの催しは、自然と地域との共生、そして平和への道へとつながっていることを、改めて考えさせられたここ数日でした。こうした恵泉の学びと同じ理念で女性の教育に注力している韓国の梨花女子大との国際シンポジウム、「恵泉×梨花 女性活躍の時代の新しいリーダーシップとは」がいよいよ来週に迫りました。

ご関心のおありの方は是非、いらしてください。皆様のご来学をお待ちしております。