2018年春期の公開講座募集中です。

2018年03月12日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美

大学の公開講座春期(4/7~8/30)の申し込みが始まりました。

詳細はこちらから

主な内容は次の通りです。
<キリスト教系>
「チャペルで弾くパイプオルガン」「オルガンの魅力を探る」「新しい聖書の学び」「キスト教と文学」etc
<教養系>
「平和と平和学の基礎を考える」「カミュ『ペスト』をフランス語で読む」「風景画と肖像芸術をめぐって」「クラシック入門講座〜名曲に隠されたトリック?!〜」「混声で合唱を!」「能楽入門」etc
<健康・スポーツ系>
「美容と健康のための薬膳講座~食べ物から健康でキレイに!~」「東洋医学健康講座~家庭でできる手技療法~」etc
<園芸系>
「花のある生活~草花の様々な姿を楽しむ~」「有機園芸実践講座~畑を耕し、持続可能な暮らしについて考える-」「デザインして作るコミュニティ花壇 実践「タネから育てる花壇づくり」「恵泉ガーデン 春の草花講座」「花に親しみ花を撮る」「自然と植物を見つめる」「ボタニカルアート入門」「家庭菜園教室」etc

この中の一つ、NHKの「野菜の時間」などで人気の藤田智先生が担当している「家庭菜園教室」についてご紹介いたします。

この講座は恵泉女学園大学の立地条件と施設設備ならびに人的資源をいかした市民農園的な性格をもった講座です。とかく市民農園で問題視されがちな技術指導者不足という欠点がカバーされているだけでなく、講座終了後は、地域の市民農園で野菜作りを通して、地域緑化の一翼を担うリーダーとなる資格証も取得できます。

これまでの「家庭菜園教室」の様子について、藤田先生から写真とコメントをいただきました。

現在の畑の様子です。タマネギの栽培、および大根と人参のトンネル栽培を行っています。寒い時期でも、野菜を現在では作ることができますので、その方法を学ぶということになります。このダイコンは春に、ニンジンとタマネギは初夏にとれることになっており、ジャガイモとともに最初の収穫物になります。

収穫祭の写真です。収穫祭は、自分たちで収穫したものを中心に、自分たちで調理し、乾杯(ノンアルコール)いたします。焼き芋、たこ焼き、焼きそば、いも煮などたくさんの料理が並びます。自分たちで収穫したものを、塾生(家庭の主婦たち)が料理する様子は、とても良いものです。

最後に受講生の声をご紹介いたします。

受講生1

初めて公開講座を受講した日に菜園で種まきを夕方まで頑張った葉物野菜が、一ヶ月ですぐ収穫ができ、スーパーで売っているものより立派な野菜で収穫がとても嬉しかったです。家族がおいしいと言って喜んで食べてくれました。小さな種から立派な野菜ができたのは丁寧な先生の教室での講義があったからです。

野菜の収穫だけでなはなく、私は健康も手に入れることができました。講座を受講する前は主婦業だけで運動不足だったために鼻の具合が悪くなり手術まで考えていましたが、菜園を耕し身体を動かすことで体調が良くなり、この1年間ニオイがわからないという状態がなくなりました。藤田先生の楽しい授業とていねいな実技指導のおかげで耕して作物を作る喜びと心身の健康を手に入れることができました。労作教育の大事さが身にしみた1年でした。

受講生2

今年初めて藤田先生の講座に参加させていただいた、ほとんど野菜作りの経験がないに等しい者です。講座が始まった4月、30㎡+αの畑を与えられ、ジャガイモの植え付け、葉物の種まき、レタス類の植え付けの課題を一度に与えられ、途方に暮れながら夜の7時近くまで畑で奮闘していました。「果たして授業について行けるのか」と心配しました。

しかし、5月中旬には葉物やレタス類の収穫が、そして梅雨前には待ちに待っていたジャガイモの収穫がどっさりあり、すっかり畑の魅力に取りつかれました。夏は明るくなるのを待って、暑くなる前の5時半頃には畑に来てキュウリなどの世話をし、家に戻って家族の出勤の準備と世話に取りかかります。

毎日頭の中は畑のことで一杯で、水は足りているだろうか、虫が付いて食べられていないだろうか、暑すぎはしないか寒すぎはしないかと気をもんでいます。野菜がしゃべれて、今何をして欲しいのか訴えられたら良いのにと真面目に思います。

さて、指導して下さる藤田先生ですが、受講生の皆に大変「きさく」に接して下さり、大変有名な先生なのに申し訳なく感じます。授業中も冗談を連発します。特に印象に残っているのは、NHKのテキストにも写真が載っていますが、支柱を力一杯地面に差し込んで、台風が来ても倒れないと支柱をゆらすのですが、実は藤田先生ご自身が体を揺らしてみせているのです。

しかし、講座の内容は大変濃く、年度当初に配布された年間作付計画一覧表は、今では「私の宝」で、先生の予定表通りいつ頃何を植えれば、自分のメモの記録から「いつ頃何が収穫できるのか」がわかり、今後自分で畑をやっていく際の参考になるものとして大事にしたいと思っています。この一年間でこんなにもたくさんの野菜を植えたり、播いたりできたのは先生に尻をたたかれながら毎回毎回課題を与えられたおかげだと感謝しています。時には「鬼!播いたり植えたりしたら、また世話をしなくてはいけないのだから」と思うこともありますが、一年終わってみればただただ先生に大感謝です。

公開講座は大学の地域連携事業の一つです。大学の知と技を地域の方々と分かち合い、より豊かなコミュニティづくりにお役に立てればと願っております。
冒頭でご紹介した様々な講座があります。地域の皆様のご参加をお待ちしております。