しなやかに したたかに

2016年07月18日

キャリアセンターが就職活動の学生向けに、面接のポイントを記したカード「輝く未来へスタート!恵泉女学園大学」を作成しました(写真参照)。

半分に折りたたむと定期入れなどに入れて持ち歩ける名刺サイズです。
中身は就職面接に臨む際の心得として、<面接編><ディスカッション編>がそれぞれ6カ条にまとめられていて、カードの表に私の好きな言葉「しなやかに したたかに」が記されています。

「しなやかに したたかに」の言葉を口にする時、いつも私の胸に浮かぶのが星野富弘さんの次の詩です。
いつか 草が風に揺れるのを見て 弱さを思った 
今日  草が風に揺れるのを見て 強さを知った

星野さんは元中学校の体育教師で、クラブ活動の指導中に頸髄を損傷して手足の自由を失った方です。入院中から口に筆をくわえて文や絵を書き始め、今では多くの詩画作品やエッセイを発表されています。
全身の自由を奪われる絶望の淵から見事に立ち上った氏の生き様は、まさに風に揺れる草のようで、これ以上ないほどのしなやかさの中に、強靭なしたたかさが秘められていることを思います。「したたか」は漢字では「強か」「健か」と書きます。

さて、4年生は今、就職活動の真っ最中です。すでに内定をもらった学生がいる一方で、この炎天下にリクルートスーツに身を包んで企業面接を受けている学生もいます。
就職戦線は明るい兆しを増しているとニュースでは伝えられていますが、当事者の学生にとっては厳しい戦いを余儀なくされることは変わっていません。
何枚も何枚もエントリーシートを書き、筆記試験を通過すると、今度は何段階もの面接が予定されています。私の学生時代とは比べものにならないほど厳しさを増しています。
入口のところでシャットアウトされるショックはもちろんですが、ステップを踏めば踏むほど不採用の結果に挫折感を覚えて、その傷はいっそう深くなります。
自分のすべてをアピールした結果の不採用は、自分のすべて否定されたようだと落ち込む学生もいます。
面接官に厳しい言葉を投げられて、「必死に涙をこらえ、歯を食いしばって笑顔を作って帰ってきました。先生の部屋で泣かせて下さい」と研究室に駆け込んできた卒業生たちの顔が今でも忘れられません。

「その企業がすべてではないでしょ。ご縁がなかっただけ」「あなたの良さをわかってくれるところが、きっとあるから」と言葉をかけますが、乗り越えるのは学生本人です。
幾度となく涙を流しつつ、やがて胸を張って社会へと一歩を踏み出していく姿を見るのは、やはり感無量なものがあります。

ちなみに今週のアエラの特集は「失敗」。
"失敗しなきゃ、私の人生 始まらない"。
"「一度でも失敗したら、終わりだ」などと息をひそめていては新しいものなんて、生まれるはずがない"と、5人の方がインタビューに応えています。

そうなのです。「しなやかに したたかに」生きてこそ、人は豊かに美しく花開くのです。

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