世界遺産ブログ

歴史文化学科ではブックレット『世界遺産―歴史と文化の学び方』を作成しました。
ぜひご覧ください。
郵送をご希望の方はnyushi@keisen.ac.jpにお問い合わせください。

 

世界の様々な地域の歴史・文化を専門とする教員が集う文化学科が、貴方を世界遺産の旅へご案内します。

恵泉ディクショナリー

平泉 ―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―(日本)

2012年07月09日

岩手県南西部の平泉町中心部には、平安時代末期の寺院や遺跡群が多く残る。そのうち中尊寺、毛越寺、観自在王院跡、無量光院跡、金鶏山の5件が、「平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―」として2011年6月にユネスコの世界遺産一覧表に記載された。これは東北地方で最初の登録で、東日本大震災からの復興を後押しする効果が期待されている。

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「迷宮都市」へのフランス保護領統治の影響(モロッコ)

2012年07月02日

フェス(英語ではフェズ)は、広大な旧市街を持つ都市である。総面積280haの中に、現在約10万人が居住している。中心的な通りに沿って歩いていくと、スークと呼ばれる商店街が並んでいる。スークでは、金物細工、革製品、陶器など、通りごとに販売しているものが決まっており、それぞれの商品を作る職人の作業も見られることが多い。皮なめし・染色の作業場は、フェス旧市街地の観光名所のひとつとなっている。
そのように楽しみながら歩いていると、ふと完全な住宅地に紛れ込んでしまい、慌てることもある。地図を見ても目印らしい目印もなく、どこにいるか全くわからない。立ち往生した頃に、地元の子どもたちがガイド役を買って出てくる。彼らについて、小路をすり抜け、家々のひさしをくぐって、またいつの間にか観光地に戻っている。まさに迷宮都市であり、そのような経験に世界中の人々がひきつけられてきた。

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皮なめしの作業場

「威容」とはこのこと ―塔の上に塔(ケルン大聖堂)―(ドイツ)

2012年06月25日

東の方から鉄道を利用してケルンに向うと、ケルン中央駅に到着する直前、車窓いっぱいに圧倒的な迫力をもつ建築物が現れる。もしヨーロッパの大聖堂を初めて見る人なら、これは一体何か、と思うに違いない。
美しいというのとは違う。巨大である。塔は高く、ゴジラの背中のようにギザギザ、トゲトゲしている。「威容」という言葉が最も相応しいのではあるまいか。これがケルン大聖堂である。

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ケルン大聖堂尖塔群

「高麗大蔵経」と仏教文化の交流‐八萬大蔵経の納められた伽倻山海印寺(大韓民国)

2012年06月21日

凛とした空気の中、参道が山の中腹へと続く。軽く汗ばみ始めたなと感じながら、石段を登ると海印寺に辿りついた。海印寺は新羅の名僧、義湘が802年に加耶山中腹に開いたお寺である。元曉とともに新羅仏教の双璧をなす義湘は、唐に渡り華厳宗の第二祖智儼に学び、華厳宗を朝鮮に広めた。これとは対照的に元曉は新羅に止まり、新羅をも飛び越える普遍的境地を開拓したといわれる。中国と日本に国分寺はあるが、朝鮮には国分寺の存在が不思議と見られない。仏教学者の鎌田茂雄は、義湘が建てた、海印寺、梵魚寺、華厳寺などの華厳十刹がその機能を果たしているとみている。新羅に誕生した護国仏教は高麗時代に入ると僧兵を多く輩出し、文禄・慶長の秀吉の侵略時に活躍している。

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海印寺

バース市街(イギリス)

2012年06月11日

阿部寛主演で映画化されて、漫画『テルマエ・ロマエ』(ヤマザキマリ)はますます人気である。主人公は浴場を専門とする技師ルシウスである。舞台はハドリアヌス帝時代(117~138)、ローマ市内だけで公設の大浴場が11、私設の小浴場が1000ほどあったというから、ルシウスはさぞかし忙しかったことであろう。ところが不思議なことに、ルシウスはしばしば2千年の時間を越えて現代にタイムスリップしてしまう。しかもなぜか場所は日本のさまざまな入浴施設と決まっている。日本もまた入浴文化が栄え、とりわけ温泉資源を活用している国である。ルシウスはここで実にさまざまなことを「発見」して、これをローマ帝国に戻って、ひとびとに伝える。物語の基本パターンは単純だが、二つの異なる時代と国を比較できるところが面白い。

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ローマン・バス

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