世界遺産ブログ

歴史文化学科ではブックレット『世界遺産―歴史と文化の学び方』を作成しました。
ぜひご覧ください。
郵送をご希望の方はnyushi@keisen.ac.jpにお問い合わせください。

 

世界の様々な地域の歴史・文化を専門とする教員が集う文化学科が、貴方を世界遺産の旅へご案内します。

恵泉ディクショナリー

共和国の夢と悪夢‐シャーロッツヴィルのモンティチェロとヴァージニア大学

2012年08月27日

「独立宣言は、アメリカ人の精神を表明することを目的とした」と語ったトマス・ジェファソンは同僚たちと共有した平等観、政治的・経済的自由への思いを独立宣言(1776年)に凝縮した。イギリス植民地人がアメリカ大陸で共有出来た格差のなさの象徴であった。しかしそれを可能にしたのは、植民地経済を支えていた奴隷制であった。300万人の新しい独立国が、危うい基盤に立っていた事実は、ジェファソンみずからが設計したヴァージニア州の私邸モンティチェロ(世界遺産、イタリア語で「小さな山」)を俯瞰すると見えてくる。

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天国の明るいイメージ‐ヴィース巡礼教会

2012年08月20日

ロマンティック街道、メルヘン街道と言えば聞いたことがあるだろう。○○街道というのはドイツの観光ポイントを結んだルートで、幾つもある。その一つが南ドイツ・バロック街道。これは日本ではあまり知られていない。が、なかなか面白いコースである。この街道を車でたどって行くと、なだらかな起伏のある草原の真っただ中に、あるいはちょっとした谷間や小さな村に、忽然とかなりの規模の建築物が見えてくる。近づいてみるとそれは教会、または修道院である。外側は白や黄色の明るい色。中に入ってみると、これまた白と金色そして水色を基調とした驚くほど明るい空間。白と金色を多用した明るい色調はバロック様式の特徴の一つなのだが、教会とはこんなに明るいものなのか、いや、きっと天国はこんな風に明るい光にあふれているのかもしれない。そんな気持ちになってくる。それにしても、こんな周りに何も無いような所に......

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ヴィース教会外観

パリ、セーヌ川の両岸(フランス)

2012年07月30日

パリは、観光客の数が年間2800万人にもなる世界的な観光都市である。そのような都市が世界遺産であるといわれても、まあそうだろうという程度の感想しか抱かないのではないだろうか。しかし、その登録内容を見ると、パリの世界遺産登録までの道のりは、それほど平坦ではなかったことが推測できる。実際のところ、フランスにおける37箇所(2012年5月現在)の世界遺産のうち、パリの登録は17番目と中間くらいで、知名度がそれほど高くないものの方が先に登録されている。

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セーヌ川から左岸を望む

現存する19世紀唯一の万国博覧会会場(オーストラリア)

2012年07月23日

王立展示場(Royal Exhibition Building)は、19世紀に開催された万国博覧会の会場としては、世界で唯一現存する建造物である。万国博覧会は1851年に初めて開かれた。このときロンドンのハイドパークに会場となった「水晶宮」が姿を現したが、期間が終わると移設されて、後に火災で焼失した。ロンドン万博後、ニューヨーク、パリ、ウィーン、フィラデルフィアなど各地で開催され、オーストラリアでも1879年のシドニーと1880年のメルボルンで連続して万博が開かれた。王立展示場は、メルボルン万博の会場であった。
ここでオーストラリアの歴史を紹介すると、ヨーロッパからの移住が始まるのは、1770年に発見された東海岸が「ニューサウスウェールズ」と命名されてからである。1786年に同地はイギリスの流刑植民地となった。1830年以降は自由移民も増え、さらにイギリス国内で監獄改革が進展したこともあって、1840年にニューサウスウェールズへの流刑制度は廃止された。

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王立展示館

カムイのものはカムイへ ―自然をめぐる国家と民族―(日本)

2012年07月17日

知床は、日本では、屋久島、白神山地に次いで3番目に登録された7万1100ヘクタールに及ぶ広大な自然遺産である。流氷による大量のプランクトン、サケ、マスなどの遡上魚、遡上魚を捕食するヒグマ、シマフクロウ、オジロワシ、その他トドなどの海獣やクジラから構成される、対岸のクナシリ島を含めた海と陸の生態系が連鎖する貴重な空間として評価された。それに加え、4番目の小笠原諸島を加えた自然遺産の中でも、知床は独特の条件をもっている。その名前「シレトク(sir-etok)」はアイヌ語で「大地の行き詰まり」を意味し、名所である「カムイワッカ(kamuy-wakka)」の滝も同じく「魔の水」を表している。(この滝の水は、硫黄山から流れる有毒な水で、この場合の「カムイ」は「荒らぶる神=魔」を表している。)つまり、この自然豊かな土地は、もともと先住民族・アイヌ民族の伝統的な領土の一部であるということだ。そして、日本という国家の視点と先住民族の視点は、重要なすれ違いを起こすことがある。

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海から見た知床

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