2013年10月

「アメリカ合衆国独立の聖地」(独立記念館)

2013年10月28日

1776年7月4日、イギリス植民地であった13邦(のちに州)の代表が集り、トマス・ジェファソンが起草したアメリカ独立宣言に署名した場所(もとはペンシルバニア州の議事堂)。「全ての人は生まれながらに平等であり、生命、自由、幸福を追求する権利を与えられていることを自明の真理であると信ずる」と謳い、イギリス国王ジョージ3世の専制的な植民地支配を非難した。ヨーロッパに向けて発せられた強い声明文は外にオランダやフランスの支援を仰ぎ、内では独立運動を一気に加速させた。さらに、1787年には憲法制定会議もここで開催され、世界最古の近代的成文憲法である現行アメリカ合衆国憲法が生まれた。アメリカ議会の上院、下院の名は、フィラデルフィアが首都であった1790-1800年、元老院を2階、代議院を1階で開催したことに由来する。

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独立記念館

パルミラの遺跡(シリア)

2013年10月11日

シリアの首都ダマスカスの北東215キロメートルにあるパルミラの遺跡、これは1980年に世界文化遺産に登録され、2013年には危機遺産に登録されています。ローマ様式の建造物が多数残っており、ローマ式円形劇場、浴場、四面門などで有名です。パルミラと書きましたがラテン語風にパルミュラと言う場合もあります。このパルミラは紀元前1世紀から紀元3世紀までの間、主にローマ領として栄えた最古のオアシス都市のひとつであると言えます。パルミラはその位置に恵まれていました、シリアとフェニキア、メソポタミアとペルシアを結ぶ要の位置にあり、シリア砂漠を横断しなければならない隊商隊にとってとても重要な中継地であったのです。ペルシア風、ローマ風、アラビア風というさまざまな文化を吸収し、パルミラは独自に発展しました。その中でも特筆すべきはベル神殿で、約210メートル四方という遺跡中最大の物です。さらに記念門から続く通りは列柱通りで、両側に並んでいたコリント式列柱750本の内150本が今も残っており、非常に重要な文化財として注目されています。

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パルミラ神殿の柱の跡(by Arian Zwegers)