2012年11月26日

環大西洋奴隷貿易の世界遺産‐ケープ・コースト城塞

2012年11月26日

366年(1501-1867)にわたり、推定1250万人のアフリカ人を新世界に強制移住した環大西洋奴隷貿易はスペイン、ポルトガル、オランダ、イギリス、フランス、デンマーク、スウェーデン、北アメリカを含むヨーロッパ系植民者が関わり、その力関係、戦争の勝敗で主導権が移り変わった。これほど多くの国々が参与したこの負の世界遺産は、ナチスのホロコーストや広島、長崎の原爆投下のように民族根絶の執念や戦争の憎悪によって生まれたものではない。金銀を始め、砂糖やコーヒー、チョコレート、たばこ、綿花、藍など、おいしいものが食べたい、贅沢品を調達してもうけたいという欲望がその動機であった。遠くの国のもうけ話に投資するグローバルな経済活動、「抑制不能な」市場の力が安価で生産性の高い集団労働を求めた結果が悲惨な人身売買とアフリカ人の大規模な移動と離散を生んだ。

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図1