地域社会史 アメリカ

2011年12月07日 

「地域社会史担当者より」

私は地域社会史(アメリカ合衆国)という科目を担当しています。大学院の授業は今年お休みをいただいていましたので、昨年の様子をお伝えすることにします。

アメリカ合衆国の全体像入門にあたって、アメリカの都市・文明評論家ジェイン・ジェイコブズの遺作『壊れゆくアメリカ』を読みました。さまざまな興味をお持ちの院生がいらっしゃるので、入門にもなり、しかも著作の論述の単純さから、もっと調べてみよう、反論してみようという気持ちにもなる本といったわけで選んだ本でした。「書評」を書くことを最終課題にしているからです。

著者が拝金主義アメリカを告発し、アメリカの地域社会の崩壊を憂うなかに、アメリカ独自の共同体の考え方、女性・家族の役割、反知性主義、政治運動参加のメカニズムをみて、そうしたテーマを中心に院生のみなさんと検討しました。アカデミズムや既存の組織に属さず声を挙げたジェイコブズがアメリカ社会の没落を避けるために掲げた方法とは?そこにこそオバマ大統領の夢、またアメリカの限界も見えるのですが、そこはお目にかかった機会に!

授業では、歴史的背景を調べること、知っていると思うこともいとわず調べなおしてみること、疑問を疑問のままに残さないこと、恐れずその疑問を声にしてみることをめざしました。書評を書く練習を通して、批評する力をつけませんか。

杉山恵子

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