チェンライNGO訪問

2018年09月08日  投稿者:国際社会学科3年 井原美波

9月3日から6日に、チェンライフィールドトリップを行いました。このブログではこの期間に訪問した2つのNGOについて紹介します。

1つ目は、子どもや女性が人身売買やさまざまな労働搾取の被害を受けないように教育活動しているDEPDC(Development and Education Program for Daughters and Communities Centre)です。ダイレクターのソムポップ氏によって売春させられる危険性がある女の子を対象に設立されましたが、人身売買や労働搾取の危険があるのは男の子も同じだという地域の声から現在は男の子も受け入れています。現在行われている活動は、ミャンマーのシャン州の若者50人をDEPDCが5ヶ月間受け入れ、実施するシャンユーススタディプログラムや、無国籍や家庭崩壊、貧困など様々な問題で学校に通うことのできない子どもたちのためにオルターナティブ教育をDEPDCで提供するHalf day schoolプログラムなどです。Half day schoolに通っている子どもたちの中にはミィヤンマで10〜11歳くらいになるまで学校に行かずに育った子どももおり、Half day schoolでタイで生活するために必要なタイ語の読み書き、タイの子どもであれば幼稚園ぐらいで学ぶレベルのことを10〜11歳でスタートさせていることを知りました。中には学習障がいの子どももいるため、一人一人の習得スピードに合わせて算数やタイ語、英語やライフスキルなどの生活するために必要な学びを提供する大変さを感じました。

2つ目は、タイに住む山地民の生活の質の向上や文化や伝統を継承するための活動をしているミラー財団です。この財団には過去に何人かの学生がお世話になっていますが、長期タイFSp3期生の方が現在スタッフとして活動しています。バンコク周辺の学生たちが演劇などを通して社会問題に対する啓発活動から始まったこの団体は、インターネットの新たな活用方法やタイ国籍取得のための運動、子どもたちへ基礎教育を提供するプロジェクトなど、様々な活動を通して山地民が抱える問題を彼ら自身で解決できるようサポートしています。

この財団では異文化教育も活動の一つにあり、ボランティアが山地民の子どもたちに一方的に教えるのではないというお話が印象的でした。例えば、この財団には日本人ボランティアも多いため彼らが活動対象グループの子どもたちに日本語教育を行っています。日本語を教えることももちろんですが、それ以上に日本語というツールを使った異文化教育を重要視しているそうです。子どもに教えるためにはボランティアがまず子どもたちの生活文化について知る必要があるので、まずそれらを学びます。このようにボランティアもタイの中にある様々な文化を学ぶことで、異文化を学ぶことができるのです。ボランティアの一方通行でない、山地民とボランティアの相互の学びはとても大切だと思いました。

チェンライでのNGO訪問は、活動対象としている人たちと寄り添い、そこで生まれる信頼関係によって活動が成り立っていると感じました。私もこれまでお世話になった方々やこれからお世話になる方々との関係・縁を大切にできたらと思います。

ミラー財団で日本人スタッフさん(3期生)と一緒に