2016年3月

2015年度CSL報告書が完成しました。

2016年03月24日

日毎に春の花が開き始め、キャンパスが一年で最も美しい季節になりました。

先日行われた卒業式では、今年も本学の伝統「学燈ゆずり」が引き継がれました。真っ暗になった会場の中、一人ひとり、学燈から分け与えられた灯をともしたろうそくを手にして退場していく卒業生。幻想的な雰囲気の中、卒業生の旅立ちに想いを馳せました。

さてこの度、今年度CSL(コミュニティ・サービス・ラーニング)活動をした学生の成果をまとめた『2015年度CSL報告書』が完成しました。

CSLプログラムでは、学生は36時間・7日間以上の現場活動を行いますが、このプログラムで特に大切なのが、活動後のふりかえりです。
活動中も毎日活動記録を書きますが、全ての活動が終了すると、①教員と「ふりかえり面談」を行い、②レポートを作成し、③CSL報告会で発表をし、④学園祭で展示します。 レポート、プレゼンテーション、展示物という3種類のアウトプットは、それぞれに違った能力や技術が要りますが、学生によって得意・不得意の分野が異なり、その学生らしさが出るところでもあります。本報告書には、3種類全ての学びの成果を収めることができました。
学生一人ひとりが、活動をしながらどんなことを感じたのか、学んだのか、学生たちの等身大の姿が伝わる報告書となりました。

早速、活動先にお送りしたところ、「私も励みになります。CSLを受け入れて良かった!」と嬉しいメッセージをいただきました。
来年度も、豊かな出会いと学びをもたらすプログラムにしていきたいと思います。

学生の学びに触れて

2016年03月09日

春の気配とともに新学期がだんだん近づいてきました。
この春休み中にも、10名の学生がCSL活動を地道に頑張っています。

2年生のTさんは、夏休みに子どもの野外活動に関するCSLⅠを実施した後、別の場所でCSLⅡに進みたいとのことで、2月に障がい者施設で毎日6時間ずつ7日間活動しました。
月曜から金曜まで5日間連続、しかも活動後にはアルバイトする日もあり、かなりハードな2週間だったと思います。
ですが、ふりかえり面談で使う「ふりかえりシート」の最初の質問「活動を終えて、今どんな気持ちですか?」には、「CSLⅡでこの活動場所を選んで正解だった」とあり、ほっとしました。
右も左もわからず現場に飛び込んだ初日は、やはり不安になったそうです。でも、施設の利用者・スタッフの方に支えられながら毎日を過ごし、5日目にようやく担当者と落ち着いて話す時間がとれたとき、「気がついたら5日目でした」と話したそうです。

「どこか不自由であったりそれぞれ何か理由があって、(この施設に)住んだり、通ったりしているが、他の普通の人と変わりはない」
Tさんの言葉です。身体障がい、知的障がい、精神障がいと障がいの内容も程度も一人ひとり違う利用者の方とコミュニケーションを取るために、沢山の方と色々な話をしたそうです。「何でここに来たの?いつまでいるの?」という話から、趣味や利用者さんご自身のこと、他の利用者・スタッフの話、ときには恋バナを打ち明けられたり・・・。
車いすを押すのは初めてだったというTさん。そんなTさんが車いすを押して、数名でゆっくり散歩に行った後には、「帰ってきた利用者さんを見て、散歩が楽しかったことがよくわかりました」と施設の方からのメッセージをいただきました。

ふりかえりの中で、「CSLⅠの活動先で継続して活動するほうが楽だとはわかっていました。でも、違う学びが得られると思いこっちを選んだ。」と、敢えて困難な道を選択したTさん。
ふりかえりシートには「活動先に何らかの形で貢献できたと思いますか?」という質問もあります。「この回答は(どうするか)すごく考えた」「貢献できたかな、できていたらいいな」という言葉に、彼女の謙虚な姿勢が見えました。
CSLⅢにも意欲を見せているTさん、これからも色々な経験から学びをさらに深めていくことを期待しています。