柳 世莉 さん 日本文化学科

■卒業年:2010年3月大学院修了
■勤務先:東京国立博物館

皆さん、こんにちは。東京国立博物館に勤務している柳です。

私は恵泉に入学する前から日本史が好きで、「日本のことをもっと知りたい!」という思いから、日本文化学科への進学を決めました。実際に大学で勉強を始めると知らないことばかりで、いかに自分が自国のことを何もわかっていなかったか、愕然としたのを今でも覚えています。
また、もとから美術館・博物館に行くのが好きだったので、日本美術史の勉強ができたことは非常に大きな成果でした。

3年生の時、周りの友人が就職活動を始める中、私は自分の目指すべき道がわからず、苦悩していました。就職セミナー等に参加しても心引かれるものがなく、似たようなリクルートスーツを着た集団の中で孤立しながら「私、こんな所で何をやっているんだろう?」と途方に暮れたこともありました。その結果、4年生になるまで全く方向性が決まらず、就職活動らしい就職活動を何もしていませんでした。
転機が訪れたのは、4年生の春。「何のために日本文化の勉強をしているのか」「日本文化の勉強を始めようと思った原点は何だったのか」・・・と、様々なことを頭の中で巡らせていくうちに、「今まで知らなかった日本のことを、もっと多くの人に知ってもらいたい。日本の文化と関われるお仕事がしたい。」という思いが湧き上がってきました。そこから「日本美術の作品を取り扱っている美術館・博物館で働きたい」という結論に至ったわけです。
美術館・博物館に勤めるには、博物館学芸員の資格を取得することが必要不可欠でした。また、博物館学芸員を目指すなら修士以上の学位は必要だと先生からアドバイスを受け、大学院への進学を決意します。

恵泉の大学院に進学した最初の年に学芸員の資格を取得し、その後憧れの東京国立博物館でインターンシップに参加する機会を得ることができました。そのご縁でお世話になった資料館の方からお声をかけていただき、卒業後アルバイト職員として働くチャンスも得られました。そして現在、列品管理課貸与特別観覧室の有期雇用職員として働いています。まだ学芸員ではありませんが、博物館の裏側で仕事をするのは楽しいので、毎日がとても充実しています。これも、恵泉の先生方と家族の協力があってこそ実現した人生です。この場を借りて心より深く御礼申し上げます。